Health Forum起業コンペの優勝者は、Legworks(レッグワークス)でした。世界の機能障害者に、高品質で低価格の義肢を 大手医療機関カイザーやインテル、投資機関からなる4人の審査員からも、観衆からも最高のベンチャー企業として選ばれたのです。ブラウン大学を卒業後、カリフォルニアカリフォルニア大学バークレー校でMBAを取得し、ウガンダの教育省でアドバイザーも兼務する同社の共同 CEO、エミリー・望月・ルティエンス(Emily Mochizuki Lutyens)さん がピッチを行った結果です。「義肢を含む人工装具市場は10億ドル規模の産業で、機能障害者に独立性、雇用の可能性と社会に積極的に参加の機会を与えます。」レッグワークスは手頃な価格で、早く歩け、手入れも簡単で、高機能な義肢を製造販売しています。 2014年3月にトロントで設立され、同地でのスタートアップ合戦でも勝ち抜いていました(www.legworks.org)。
義肢は数十万円から数百万円以上と高額なため、世界の紛争などで義足が必要になった人々なども含めて 何百万人に行き渡っていないのが現状です。ルティエンスさんによれば、「義足が手に入らない切断患者が90%もいます。北米では 価格競争力のある1機を650ドルの直販で、欧州では流通業者に530ドル、発展途上国には政府、NGO、流通業者に300ドルで販売する計画」だそうです。市場に合わせた階層型の価格設定で販売した場合、マージンが66%と悪くない利益率です。共同設立者で開発ディレクターのブランドン・バーク(Brandon Burke)氏自身が義肢が必要な身体で、「義足を買えない人たちは障害と貧困の狭間で、二重に権利を奪われている」と指摘します。 足が不自由だと動き辛いため、平均寿命が短くなり、生活の質の低下にも繋がっています。 レッグワークスは社会に貢献しつつ、利益確保の両方を行うことができる事業です 。共同設立者のジャン・アンドライセック(Jan Andrysek)氏が、10年以上かけた研究で、高機能かつ低価格の膝関節を開発し、特許を取得しました。レッグワークスは米国の740の医療機関に売り込みを開始するそうです。そして、国際赤十字などのパートナーシップを通じて大量に受注し、割引価格で製品を提供していく計画です。同社は世界的市場への進行を加速させながら、 収益性を維持しつつ、百万ドルの資金調達を今期で完了させるとか。所得格差があっても、 義肢が幅広く必要な人々に届くようなビジネスモデルが審査員と聴衆にうけ、14社のトップに輝いた理由なのでしょう。では、この他の参加したスタートアップ13社の事業内容はどうだったのかを、アルファベット順にご紹介致します。